ナレーター 主婦 人間 生物として 色んなところでズッコケている 女優の日々 〜第二章〜
高2の夏以降
「どうしても俳優になりたい。
東京の大学で演技の勉強がしたい」
という思いが強くなった。

母は大反対。
気持ちは理解出来ても
私が東京に行ってしまうことが
考えられない様子だった。

しかし
演劇部顧問の度重なる説得の甲斐があり
高3に上がる頃には母も折れてきていた。

進路の希望を書く際には
第三志望までスラスラと
とても強い筆圧で記入し
すでに上京気分の私。


夏休みの三者面談のことだった。

担任「橋本さんは家で勉強してますか?」
由香「・・・え〜〜っと・・・」
母親「部活以外は遊んでばかりいます」
担任「(成績を見ながら)うん。そうやろね。
   で、この学校のデータはこちらにはないから、自分で調べて〜〜」
母子「・・・・・・」

なんだか突き放された気がして
腑抜け状態で母と私は家に帰った。
困ったぞ。
雲行きが怪しい。

上京への溢れんばかりの情熱と
模試D判定という現実との狭間で
母子共に揺れた。

第一志望と第二志望は
学科試験をパスしないと
実技試験を受けられない・・・。

英語が激しく足を引っ張っていた。


高校入学以来
全く勉強をしてこなかった自分を悔やんだまま
演劇コンクールに突入。

その後
県だか市だか主催の舞台にも出て
気が付くと師走になっていた。

英語の学力が低いまま
受験迄あと二ヶ月。

やばい。

もうどうしたらよいのかわからず
ヤケ食いして体重だけがアップし
途方に暮れていた或る日の夜
父が言った。

「お父さんは
自分の夢を親に語ったことがない。
そんな時代じゃなかったし
家庭環境的にも難しかった。
だから
自分の子供の夢を応援したい。
でも、ホイホイと
(東京に)送り出す訳やないやんやで。
家族全員に凄い覚悟が必要や。
由香には強い目的があるんやろ?
憧れてるだけじゃなく
ちゃんと自覚を持つように。
由香を信じてるから」

ビックリした。

普段無口で
何に関しても口出ししなかった父が
こんなことを・・・。

私の中でスタートの号砲が鳴った瞬間だった。

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その話まだ続くの?安奈退屈〜。

あれから30年近く経った。

パパ
知っての通り
由香は大女優にはなれなかったわ。
でも
今年もお互い元気に父の日を迎えられて
本当に嬉しいよ。

あの日以来
パパは私の最も尊敬する人にょろよ〜。